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2014年02月24日
立甲がパフォーマンスアップ、障害予防に重要な理由
近年、肩甲骨や胸郭の可動性について語られる機会が増えてきましたが、その効果についてしっかり理解できているでしょうか。
みなさんは選手に、肩甲骨や胸郭の動きを向上させるトレーニングを指導する機会はありますか。
JARTAでは肩甲骨を立てる立甲というトレーニングを必須しており、肩甲骨動きには以前から注目してきました。
でも実際に肩甲骨や胸郭の可動性があがると、どのような効果がもたらされるのか、しっかり選手に説明できるトレーナーは少ないのではないでしょうか。
まずは肩甲骨のイラストを見てみましょう。
この写真だけではどう重要なのかよくわかりませんよね。
肩甲骨や胸郭の動きはパフォーマンスアップと障害予防に影響
では四足動物(トラ・ライオン・チーターなど)の歩いてる姿を想像してみてください。
これは歩くたびに肩甲骨が動くのですが、皆さんが四つ這いで歩いてもこうなりますか。
四足動物が歩いている姿の肩甲骨の状態を言い換えると、肩甲骨が立った状態とも言えます。
この状態を立甲(高岡英夫 提唱)と言います。そして立甲した結果、肩甲骨と上腕骨が一直線上につながることを甲腕一致(高岡英夫 提唱)と言います。
これは医療従事者やトレーナーが学んできた、ゼロポジション(肩甲棘と上腕骨が一直線上にあること)と同じです。
ゼロポジションのメリットは、関節や筋(軟部組織など)に負担がかからない(少ない)ことです。動物は常にこの状態であるため、あのようなハイパワー・ハイスピードをだせるのです。
またゼロポジションを保持できると、回旋系伸張反射であるRSSCの実現が可能となります。トップアスリートはほとんどがこのRSSCをうまく活用してハイパフォーマンスを実現しています。
普通の人が四つ這いで歩いても、肩甲骨は肋骨にへばりついたままになります。実は赤ちゃんの時は誰でも「立甲」になっていますが、大人になるにつれ固まってできなくなってしまうのです。解剖学的には、肩甲下筋・菱形筋・大円筋・小円筋・僧帽筋が固まってしまっています。
立甲が可能になると、肩甲骨や肋骨(脊柱)の可動性も拡がるということです。さらに、肩甲骨と肋骨(胸郭)を分化させた状態で使用できるようにもなります。
胸郭の可動性も拡がることで、胸椎の伸展も向上し腰痛予防や改善にも繋がります。また胸郭には横隔膜が付着し、その横隔膜には大腰筋が筋連結しており、JARTAが最重要と位置づけている大腰筋が機能しやすい身体環境になります。
ですから立甲ができればゼロポジションをいつでも作れ、さらに肩甲骨や肋骨(胸郭)の可動性が拡がるため、上肢(肩関節)や体幹にとっては非常に重要であるということがいえます。
立甲はハイパワー、ハイスピード、正確性の実現に不可欠
野球においては特に投球動作にて重要になります。肩甲骨の可動性が拡がることで、肩甲上腕関節(肩関節)や肘関節にかかる負担の軽減といった障害予防や、力みがなくなり制球力(コントロール)や球速(スピード)アップにも繋がります。
また、脊柱や胸郭の可動性も向上するため投球動作やバッティングで重要な胸椎(胸郭)の伸展も向上し、さらに障害予防とパフォーマンスアップに繋がります。
肩甲骨や肋骨(脊柱)の可動性が拡がることで、ランニングなどの走動作では肩甲骨からしっかりと上肢(肩甲骨の内転・外転)を振れるようになり走力の向上やパワーロスが軽減します。
水泳では上肢の操作性が向上し、クロールでよく言われる障害の一要因のハイエルボーによる肩甲上腕関節へのストレス軽減にも繋がり、さらにバック(背泳)・ブレ(平泳ぎ)・バッタ(バタフライ)においても上肢の使用頻度は高く、肩甲骨の可動性が絶対条件といえます。
上肢の力みがなくなるため、スムーズな泳ぎができ上肢全体で水を掴む(かく)ことができます。
さらにコンタクトスポーツ(ラグビー、アメリカンフットボール、サッカー(特にキーパー)、バスケットボール)や武道では、上肢の操作性が向上するためパスやシュート、キープ時の上肢を用いてのディフェンス、またはオフェンスなど上肢を上手く使いこなせるようにもなります。
また力源(力点・支点)を相手が掴むことができなくなるため、相手はどこに力を加えればよいのかわからず、いつの間にかコンタクトスポーツではポジションをとられている、押さえ込まれている、武道では投げられている、押さえ込みから逃げれないといったことも可能となります。
経絡でいう小腸経と関連があり上肢と体幹の連動性も高まります。
これらは、スポーツや格闘技でいつも言われている「体格差のハンデ」を克服できるということに繋がるのです。
JARTAで体系的に習得ができます
ここまで「立甲」の意義について説明してきましたが、JARTAが行っているBASICセミナーにて習得できるようになっています。
またセミナー中にできなくても、しっかりとした習得プロセスがあり、BASICセミナーや次のステップであるアドバンスセミナーでお伝えしていきますので、必ず習得が可能です。習得プロセスは自己鍛錬にもなり、指導としても使用できますので非常に選手指導にも有効です。
また選手の指導においても、JARTAトレーナーが1から指導していきますので、習得することは可能です。
一例ですがサッカーのなでしこJAPANのGK、INAC神戸レオネッサの海堀選手のトレーニングの様子をご紹介します。
海堀選手といえば、2013年シーズンもベスト11やなでしこ杯MVPを獲得するなど、どんどんパフォーマンスアップしています。海堀選手にはJARTAセンタリングトレーニングを学んでいただいています。
立甲の習得前と習得後です。
あとこちらは少し気持ち悪いですが、JARTAエグゼクティブ・テクニカル・マネージャーの藤田友和の立甲です。
JARTAで断トツNO.1で、トップアスリートも驚いています。
ここまでやる必要はありませんが、的確な習得方法で鍛錬を続ければ皆さんも必ず獲得できるようになります。
立甲にご興味があれば、ぜひお問い合わせください。