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2014年04月23日

誰もが使いこなしたい回旋系伸張反射|RSSC

今回は、パフォーマンスをアップさせるためには必須の概念であるRSSCに関してのお話です。
選手のパフォーマンスを向上させたいとお考えの方には、必ず理解していただきたい内容です。

誰もが使いこなしたい回旋系伸張反射|RSSC1
JARTA代表の中野です。
冒頭から難しそうな話ですが、とてもとても大事な内容です。わかりやすくお伝えしますので、しっかり理解してくださいね。
 

RSSCとは?

RSSC(アールエスエスシー)とは「Rotator Stretch Shortening Cycle」の略称で、日本語では「回旋系伸張反射」と言います。
 
RSSCは、理学療法士など身体に関わる専門家の中で一般的なものである「伸張反射(SSCStretch Shortening Cycle)」の一部です。
ただし、あらゆるシチュエーションの中でハイスピード・ハイパワーが要求されるスポーツの場面ではSSCだけでは足りず、このRSSCを使いこなすことが非常に重要になると考えています。
 
RSSCの機能を強化しスポーツの場面で使いこなせるようにすることは、JARTAでも非常に重視しています。
RSSCの具体的な解説に入る前に、まず一般的に伸張反射とはどういったものなのかを紹介していきましょう。
 
まずトレーナーであれば非常に基本的な部分からお話します。
伸張反射とは脊髄反射の一つです。つまり、脳による操作ではありません。収縮メカニズムとしては、骨格筋が受動的に引き伸ばされると、その筋が収縮する現象です。
 
この収縮は筋肉の伸展によって発生した張力を、その筋肉の中にある「筋紡錘」と言われるセンサーが感受して起こるのです。
 
ここまではなんとなくご理解いただけたでしょうか。
これらの一般的な特性を踏まえ、RSSCがパフォーマンスにおいてどのような利点があるのかをまとめてみます。
 

RSSCの利点

再現性が高い

スポーツにおいて、同一の動作を何度も再現できる能力は非常に重要です。例えば野球の投手であれば、同じコースに何度も投げられる能力です。

省エネ

いわゆる持久力や、何度も速いボールを投げるなど持久性瞬発力に関する部分です。一般的な筋収縮(力を入れようと思ってその部分に力を入れること)に比べ、RSSCは非常に省エネです。
筋の収縮に使われるエネルギー源はATPと言われる物質ですが、RSSCではこのATPの消費が非常に少ないと言われています。

ハイパワー・ハイスピード

RSSCが発動すると、大変多くの筋肉が動員されます。
そして伸張反射による筋収縮速度は通常の収縮よりもその速度は大きくなります。つまり身体の運動速度は非常に速いものとなります。
そして当然筋収縮力そのものも能動的な収縮よりも強くなります。
加えて、通常の収縮による運動に比べて多くの筋が関連する運動となり、結果としてハイパワー・ハイスピードが生まれます。

ケガを防ぐことができる

さきほど説明した通り、RSSCは多数の筋や関節を動員した運動様式を誘発します。これは運動時において身体にかかるストレスを分散できると言い換えることができます。
つまり「局所へのストレスの蓄積」を防ぐことになります。
スポーツにおける多くのケガや痛みや不調は、局所へのストレスの蓄積がその下地になっています。
 
この下地は膝の靭帯損傷のような突発的なケガと思われる傷害においても存在します。
詳細と対策はアドバンスセミナー1にて解説しております。
 
この他にも、

  • 対人性競技にて優位に立てる
  • 指導者や観客に受ける
  • 緊張や不安に強くなる

など、スポーツパフォーマンスにおいて非常に優位な要素が含まれています。
 
残りの要素についても、JARTAベーシックセミナーで詳しく解説しておりますので、ご興味のある方はベーシックセミナーにご参加ください。
 

RSSCを発動するための条件

このようにとても便利で機能的なRSSCですが、パフォーマンスにおいて発動するには複数の条件があります。

  1. 筋紡錘の感度が高い状態であること(すなわち、ゆるんでいること)
  2. 単なる脱力ではなく、格定力が重要となる(格定力;局面に応じて最適な収縮ー弛緩のバランスを実現できる能力)
  3. 一次姿勢が適正な状態であること
  4. 肩関節であれば、どんなポジションでもゼロポジションを保持できていること(立甲)

これらの条件が整ってこそ、RSSCの良さが活きるのです。
 
JARTAでは、関節や筋肉の状態を整えるといったコンディショニング技術に加え、JARTA独自のセンタリングトレーニングを通して、これらの条件を揃えられる身体作りの方法をお伝えしています。
またアドバンスセミナー3では、RSSCトレーニングによる体軸の強化(走力、体幹、投球)方法も習得していただいております。
誰もが使いこなしたい回旋系伸長反射3

(アドバンスセミナー3でご紹介するスパイラルレッグショット)

 
ご興味・ご関心がございましたら、ぜひJARTAセミナーにご参加ください。
 
そして指導者や選手の皆様。筋力重視の西洋的トレーニングに疑問を抱いておられるのであれば、ぜひお問い合わせください。
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