NEWS(最新情報)
2014年12月18日
捻挫後の関節のゆるさをゆるめて改善する
不安定な関節が症状をもたらすとされる、足関節靭帯損傷や膝蓋骨脱臼、肩関節脱臼・腓骨筋腱脱臼等は構造的な破綻をきたしています。
そのため既存の治療方法では手術や固定するように強化したりバランストレーニングやテーピング等補助具を利用するのが一般的であります。
しかしそこにもゆるめる概念が応用出来ることを皆様はご存知でしょうか?
JARTAの赤山です。
私は手術センターを持つ整形外科グループに勤めている関係で上記疾患の手術後も保存症例もよく経験します。
私自身も5、6年前までは、不安定性がある関節に対しては時期をみて手術するしかなく、それまではテーピング等で固めたり、強化をするしかないと考えていました。
どうしても時期的に保存で対応しなければならない症例を多く経験するなかで、構造的な破綻が軽度であれば機能的な不安定性を充分に改善出来るすべがあることを知りました。
その答えはやはりゆるめることにあったのです。
例えば、膝蓋骨脱臼であればもちろん膝蓋骨のモビリティは大きくお皿が外方に偏位しやすくなっているのですが、股関節の適合性をよくしたり、股関節の外転外旋方向への可動域が改善できるようにすれば即時的にお皿の外方への移動量を少なくすることができます。
これはいつもJARTAでお伝えてしているキーマッスルである大腰筋をゆるめることでも可能となります。
一般的に関節弛緩性がある、高いと思われる場合でも脊柱や骨盤の動きが硬い選手はよく見受けられます。
足関節靭帯損傷の場合も内反捻挫で距骨の外方の動きが拡大すると相対的に距骨の内側の動きが硬くなっています。
またテーピングのしすぎて脛骨と腓骨との動きが悪くなっている選手もたくさんいます。
さらに距骨下関節のモビリティが低下している捻挫後の症例も多く散見します。
二次的に短縮している内側の軟部組織や上記問題を解決すると内反方向への動揺は少なくなり、選手は自覚的に安定したように感じます。
関節の適合性がよくなるので当然なのです。
そして私の大好きな疾患である腓骨筋腱脱臼。
以前両側同時の手術をした選手や再脱臼症例を経験したことで深く理解するきっかけとなり、機能的な問題が多く抱えている事を知ると大好きになりました。
実は私も腓骨筋腱脱臼歴があったのです。
腓骨筋腱脱臼は捻挫歴がある選手も多く、距骨の外方の動きは大きくなります。
背屈動作時距骨の後方への動きが必要以上に大きいと外果後方の溝は相対的に浅くなります。
ここに上記捻挫でもあげたような脛骨腓骨間の可動性低下があり背屈時の腓骨の動きが乏しいと腱は脱臼する方向へのストレスが強くなるのです。
あとは足根骨のモビリティや長腓骨筋と短腓骨筋との関係性など問題となる要素は他にもたくさんあります。
患部の不安定性を身体特性や他部位との関係性を考慮した上で必要な部位を適切にゆるめることができれば関節を『硬く』することができる。
JARTAセミナーではこういった体験も随所でしていただけるかと思います。
難しい表現もありましたが、最後までお読み頂きありがとうございました。