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2015年02月28日

「子供達の将来を守るために〜怪我の少ない身体の使い方を考える〜」

2015年2月21日、千葉県市川市にある千葉商科大学にて、関東ラグビーフットボール協会普及育成委員会(JERFU)主催の指導者研修会に、中野代表とJARTA認定スポーツトレーナーとして赤山、加瀬、奥田、川西、佐原が参加してきました。
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今回のプロジェクトは非常に大がかりなもので、「怪我の少ない身体の使い方を考える」ことをコンセプトに約100名以上のミニラグビー指導者の方に参加して頂きました。その内容を報告させて頂きます。
JARTA認定スポーツトレーナーの佐原潤です。

研修会にかける私の思い

ラグビーでも、様々なスポーツにおいてもコンタクトスポーツは、一般的に「体格差=マイナスのイメージ」が非常に強いと思われます。
私は高校ラグビー時代、埋めようがない身体的ハンデに非常にコンプレックスを抱いていました。体格的なハンデを埋めるため、フィジカルトレーニングに明け暮れ、過剰なほどに食事を摂り体重を増やしていった結果、最終的には怪我に悩まされ続けました。
私はJARTAに出会い、体格的に恵まれず夢を諦めかけた選手に少しでも光を見せることができるトレーナーになりたいと思い認定スポーツトレーナーを目指しました。
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その第一歩として、今回の研修会でジュニア世代の育成に関わることができ、指導者の現場での率直な意見が聞けるため、強い思いを抱いて臨みました。

Priority as a coach?(コーチとして何を優先しますか?)

研修会のある場面での指導者の方への質問でした。あなたならばこの質問にどのように答えますか?
ラグビーは勝たなければ意味がないと考える指導者も非常に多いと思われます。しかし、子供達は目先の勝利だけを考えプレーに臨むべきでしょうか。
子供達には希望に満ち溢れた将来があります。
将来、日の丸を背負って世界で戦う人材を育成するためには、Safety(安全) > Fun(楽しさ) > Win(勝利)を優先しながら子供達と向き合っていく必要性があるのです。
 

JARTA理論から考えるラグビーとの繋がり

研修会では、低学年から高学年と幅広い年齢層の指導者の方が参加しています。
中野代表の講義では、各年代に応じた「手段」と「目標達成レベル」を選択の重要性を伝えていました。
未熟な筋骨格系のジュニア世代では、フィジカル系のトレーニングよりも、身体の使い方を指導する方が望ましいと思われます。
また、ジュニア世代は身体も非常に柔らかく、神経系の発達が著しく成長する時期です。
そのため、
①身体操作能力(重心操作能力)を向上させる。
②内的認識力の向上。
③良い部分の伸びしろを伸ばす。
以上のことが指導において非常に重要なポイントになります。
特に③においては、「指導者の言葉には想像以上に選手のパフォーマンスに影響している。」言い換えれば、安易にプレーの良し悪しだけで判断する指導者では選手の伸びしろを潰すだけでなく、子供達が求めるスポーツ本来の楽しさを奪っている可能性があるということです。
まさに「心・技・体」であり、身体的パフォーマンスのみならず、精神的サポートもジュニア世代からの育成は非常に重要なのです。

JARTA認定スポーツトレーナーとして

1人の認定スポーツトレーナーが約20名の指導者の方をサポートしました。ミニラグビー指導歴約1年から、長い方で10数年の方にトレーニング指導を行いました。
フィジカル勝負で戦ってきた歴史と伝統あるラグビーの世界に、JARTAの理論が導入されることに、序盤はやや戸惑いが隠せない様子も見受けられました。
実際に指導者の方は、「その身体の使い方はラグビーのどの局面で生かされるのか?」という質問が非常に多くありました。
しかし、選手のパフォーマンスを構成する要素を分解し、関係的に捉えることによってその質問を解決することが可能となります。
例えば、タックルという動きを分解した際に、

  • しゃがめない(重心を下げることができない)から入ることができないのか?
  • 上がることができない(重心を上昇させることができない)から入ることができないのか?

このように、連続動作を分解して考えるという方法です。
これはJARTAセミナーで私達に中野代表が強く伝えてきた部分でもあります。
また、忘れてはならないのは子供達が楽しんでトレーニングに臨むことです。
年代に合わせた遊びの要素を取り入れ、トレーニングをアレンジしていく重要性も再認識しました。

まとめ

ジュニア世代の育成に関わることは非常に重要なことです。この成長が著しい時期に少しでも良い方向へ選手を導けるか否かは、トレーナー、指導者に重大な責任があります。安全で楽しみながら、勝利を目指す。
理想論かもしれませんが、
スポーツを通して子供達の将来を守ることができるのは、私達トレーナーや指導者の役目だと思いませんか?
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