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2020年08月26日

「運」は平等?不平等?

文:永井貴大(認定スポーツトレーナー)

 
「僕は、私は運が悪い…」
「どうして僕だけが、私だけが…」
「どうしてあの人は!」
 
多くの人が1度は口にしたことがある言葉だと思います。
 
私自身も何度も口にしたことがあります。
私は12年間の競技生活(野球)のなかで3度の手術を経験しており、手術を要する怪我をした際によく運が悪いと言っていました。
 
「なんで自分ばかり怪我をするのか」
「なぜ野球の神様はこんなにも試練を与えるのだろうか」
「運は平等ではない」
「野球の運を持っていないから怪我をしても仕方ない」

 
ですが、引退して3年経ちこの思考に変化がありました。
きっかけはYouTubeである動画を視聴している時でした。
その動画の後半にこのような言葉が出てきます。
 
「運が良い人、運が悪い人とよく言うが、太陽が万物を等しく照らすように、運は万物に平等に与えられている」
 
この言葉に出会いの私の運に対する思考は180°変化しました。
そして、野球をしていたときの私の1日のスケジュールを振り返ると、練習をしている記憶はあるのに身体のケアをしている記憶はありませんでした。
身体のケアの時間がないため練習による疲労は蓄積し続け、怪我をするのは必然のことです。
 
こうなると怪我をしたのは本当に運が悪いのでしょうか?
運が悪いのではなく、身体のケアをするという行動を取らなかったから怪我をしたのです。
それから「運」について追求するようになりました。
「運」を引き寄せるためにどうすれば良いか思考し、先輩方に質問もしました。
そこで1つの答えを出すことができました。
運を引き寄せるためにはまず、運の構造を理解しなければならないということです。
私が運の構造分解をしたものが下記になります。
 
「運」と一言で言っても多くの種類が存在しますが、大きく分類すると2つに分けられます。
「自分でコントロールできる運」と「自分でコントロールできない運」です。
そしてこれらはさらに2つずつに分けられます。
自分でコントロールできる運とは、「開発できる運」と「管理できる運」です。
前者を「機会」、後者を「確率」とします。

(上記画像https://studyhacker.net/masakazu-sugiura-01より引用)

 
自分でコントロールできない運とは、「事前に決まっている運」と「結果がわからない運」です。
前者を「宿命」、後者を「偶然」とします。
今回は自分でコントロールできる運である「機会」と「確率」についてです。
 
機会とは自ら運を開発することで運を引き寄せているものになります。
自分将来について思考し自ら未来を開拓しようとしている人としていない人では前者が運を引き寄せています。
 
確率とは意思決定の質を上げていくことで引き寄せられるものになります。
意思決定により物事が上手くいく確率が50%の場合、その確率を51%に引き上げることができたら長い人生の間に多くの意思決定の瞬間が訪れるため1%の確率が引き上げられるだけで、運を高めていけます。
 
では、どのように自分でコントロールできる運を高めていくかについてご説明します。
まずは機会からになりますが、機会も運である以上偶然は存在します。
しかし、偶然に任せているだけでは良い機会は訪れません。
スタンフォード大学のジョン・D・クランボルツ教授は「望ましいキャリアを得た人は偶然を友にし、機会を変える努力を怠らない」と述べています。
そして、偶然を友にしている人が持つ共通項として以下の5つを挙げました。
 
・好奇心
・持続性
・柔軟性
・楽観性
・冒険心
 
この中で冒険心と持続性が大事だと私は考えます。
まず機会を得るためには冒険をしなければなりません。
新しいことを始める、新しい世界に飛び込むことはとても勇気がいることです。
失敗するかもしれない、見ず知らずの人に笑われるかもしれない。
多くの不安や迷いのなかでその1歩を踏み出すことができるか。
踏み出すことができた人には新たな機会を得るための環境が待っています。
踏み出すことができなかった人には現状維持しかありません。
そして、現状維持は衰退を意味します。
 
自分でコントロールできる運は平等に与えられています。
でもその運を掴めるか、掴めないかは平等ではありません。
そこには冒険心に対する行動力がが求められるからです。
運が良いと思われる人は行動して、運が悪いと思われる人は行動していません。
 
そして足を止めてはいけません。
常に歩き続けなければ、新たな機会は得られません。
だから持続性が大事になってきます。
 
運を引き寄せたい人は冒険心を持った上で行動し、その行動を持続させていきましょう。
 
最後までお読み頂きありがとうございました。
 

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