音と動きの意外な関係

文:森 宜裕

 

みなさんは、運動を指導するときに「擬音語」は使いますか?

 

「もっと、グッと力を入れて!」

「サッと動いて!」

「そこでバーンや!」

 

などなどスポーツ現場や応援の席ではおなじみの声掛けかもしれません。

 

私たちは動きの中から耳には聞こえないその「音」を感じ取っているのかもしれません。さらには、動いておらずじっとしているときも音を感じています。「じっと」や「しーん」という擬音語が存在しますね。

 

子どもたちの遊びの中にも、動きに対する擬音語がたくさんあり、その表現は非常に豊かです。私たちも幼いころから自然にやってきています。

『謎の擬音語「デュクシ」の使い手』

なんてコマーシャルもありましたね。笑

 

 

日本語はもともと、擬態語や擬音が豊かです。

身体意識をいわゆる言語としてではなく、そのまま音として表すほうが伝わるからだと感じているから。

言葉は、身体の動きを脳で処理させてしまう抽象度の高い情報。一方、音は身体意識としてそのまま処理される可能性の高い、比較的具体度の高い情報です。

 

音を身体に訴えかけることで、言語以上の多くの情報をもたらすことができます。

 

 

 

運動指導をする際や、自分が動きを学習するときに意外とこの感覚が役に立つこともあります。

 

自分が動く際に動きというビジュアルの感覚だけでなく、音の感覚を取り入れます。すると、これまで上手くいかなかったものが、すっと解決出来たり、できているものもより完成度が上がったりします。

 

動きを形の連続としてだけとらえて、その切り取った場面を言葉で説明すると余計ややこしくなるのです。

 

世の中には、「こうなっていてほしい」「こうなっているべき」といった【結果の状態】を指示することが多いですね。

そうなると、そこに行きつく過程ではなく、そのときのフォームに焦点を置いた言葉を利用することになります。

 

けれども、多くの(特にジュニア期の)スポーツ選手に必要なのは、結果の状態を指示する言葉ではなく、【結果を引き起こす方法】です。この結果を引き起こす方法というのは、当たり前ですが、みんな等しく同じというわけではありません。同じ人でもその成長段階によって変わってきます。

また年齢が低ければ低いほど、指導がその語彙力に左右されることも多く一筋縄ではいかないものです。

 

ですが、「音」を使うことでこのあたりの問題を解決できる場面が存在します。

 

動きを音で表現し、その質感やリズム感を伝えることで、選手が動きに強弱をつけるようになったり、スピードを高めるきっかけになったりします。

心理状態に影響を与えることも少なくありません。

 

 

 

 

音と身体は密接につながりがあります。

動きのことを言葉でいろいろ言われると、固まってしまい逆に動けなくなるのは、脳ばかりが働いてしまうから。身体が個々の動きの組み合わせとなり全体のまとまりが失われます。

 

 

 

言葉は身体をときに分解してしまいますが、音は身体を全体のまとまりとして一つにする効果があるのです。

 

 

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

 

 

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