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2017年03月02日

マネをすることで鍛える脳とスポーツの関係

マネをするという事は、脳の発達においてとても重要なトレーニングとなります。
スポーツの世界でもそれは同様であり、マネを繰り返す事で得られる効果は多岐にわたります。
 
東海地区で活動する認定スポーツトレーナーの田中紀行です。

【人は生まれながらマネをするという行為を繰り返し行っています】

赤ちゃんは、お母さんの視線、声、抱っこのときのぬくもりなど、五感を通して感じ表現します。
発達が進み幼児期になると、言語脳も発達し、幼稚園の友達や先生、お兄ちゃん、お姉ちゃん等のマネをし始めます。子供に対し「いつの間にそんなことを覚えたの?」という経験を持つ方も多い事でしょう。
 
ではマネと言う行為はどのような機序で成立しているのでしょうか。
マネと言うのは、他者を模倣する事により相手を理解し、理解したと同時に他者と自分との違いを脳の中にインプットしていく作業になります。つまり、他者と自分との違いを理解していく作業になります。

 
この他者を理解する脳は、前頭前野が強く関与しており、マネを何度も何度も繰り返すことで前頭前野が発達すると言われています。
 
余談ですが、ある神経学者が研究した、前頭前野のみを損傷した人間の行動は、言葉も話せ、歩くこともでき、食事や排せつも問題ない程の回復をしたのですが、社会生活、つまり他人とのコミュニケーンがとれなくなったと報告しています。
 

【スポーツの場面ではどのように働くのでしょうか】

他者を理解する脳が、最も働く場面はチームスポーツが最も多いと思いますが、個人競技においても他の選手、監督、コーチ、審判、トレーナー、観客など対象となる人は沢山います。
言葉でコミュニケーションをとりつつも、相手の表情や微妙な行動を読み取り、その人が感じている本当の心の部分を読み取ることができることが、一流のアスリートになっていくには必要不可欠な部分であると思います。
 
トレーナーとしてはどうでしょう。
JARTAでは、コンセプトの中にトレーナーとしてのトレーニングと言う項目を挙げています。選手にトレーニング指導するにあたり、トレーナーは姿勢、形、動きの見本を見せる事があると思います。
より良い見本を見せることができれば、選手との信頼関係も築きやすいですが、逆に見本が下手であれば、選手が聞きたいと学びたいというモチベーションも低下してしまいます。
うまいマネをしてもらえるように自分のトレーナーとしてのスキルを挙げる事も重要です。是非取り組んでいただきたいです。

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トレーナートレーニングとして、JARTAでは統合化トレーニングをいうものを実施していますが、私がプラスで行っているトレーニングを1つ紹介したいと思います。
武井壮さんがメディアでも紹介していた、「自分の脳のイメージと実際の身体の動きの誤差をなくす」というものです。
やり方はとても簡単で、鏡の前で眼をつぶりながら自分のイメージした姿勢をとり、眼を開けて鏡で誤差を修正するというものです。
人間の動きの多くは眼に依存しています。誤差をなくし、内的認識力を高めることでトレーニングの精度もあがるので、プレトレーニングとして是非取り入れてください。
 
参考ブログ:内的認識力がズレた状態とは?
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最後までお読み頂きありがとうございました。