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2014年08月25日

スポーツにおける動き出しを速くしたい

スポーツ選手の中には「動き出しを速くしたい」と思っている方は多いのではないでしょうか。
今回は「動き出しが速くなり、下半身の柔軟性も向上する身体の使い方」についてお伝えします。
 
JARTAトレーナーの藤田です。
 
今回はJARTAイタリア研修でトレーニング指導した日本人留学生が日本へ一時帰国した際に指導した内容です。
彼は関東出身ですが会ってトレーニング指導して欲しいということで、わざわざ大阪まで来てくれました。
JARTAトレーナーの山岡、櫻田も一緒にトレーニング指導しました。
 
スポーツ競技における動き出しを速くしたい
 
動き出しを速くしたいと言われたときはどのようなトレーニングを指導しますか。

  • 筋力がないので筋力トレーニングを行う
  • SAQ(speed agility quickness)トレーニングを行う
  • プライオメトリックトレーニングを行う
  • TRXトレーニングを行う

など、いろいろあると思いますがどれも間違いではありません。
ですが、これら全てを網羅するには「基本的な身体の使い方」が重要です。
 
スポーツ競技における動き出しを速くしたい2
こちらは前回お伝えしたトレーニングと同じです。これは非常に重要なトレーニングなのですが、その理由がわかりますか?
それはこのトレーニングにより体幹・股関節・膝関節・足関節の柔軟性向上とこれらの連動性も向上するからです。
全ての関節の柔軟性がなければこのように殿部がしっかりと下がりません。
 
また柔軟性がなければ後方に転んでしまったり、胸を張ってしまったり、顎が前に突き出てしまったり・・、代償動作を起こします。
またそれにより、膝関節を痛めてしまうことも多々あります。
 
ポイントを1つあげるとすれば鳩尾(みぞおち)です。
 
そのため、このトレーニングは評価としても使用でき主観的・客観的にも上達が分かりやすいです。
 
次は立甲というトレーニングです。
スポーツ競技における動き出しを速くしたい3
JARTAのセミナーを受講された方は全員ご存知だと思いますし、過去のブログでも取り上げていますので、詳細はそちらで確認してください。
参照) 立甲がパフォーマンスアップ、障害予防に重要な理由
 
簡単に説明すると、上肢・体幹の連動性と上肢の操作性の向上です。
なぜかというとゼロポジションをどこでも作ることができるため、エコでハイパフォーマンス発揮が可能となります。
 
これら2つを指導しただけで、全身の柔軟性が向上しさらに連動性も向上しましたし、実際に動いてもらうと彼自身も驚きを隠せないでいました。
「15分前の自分の身体が嘘みたいだ」
「立った時点で身体が軽くていくらでも動ける」
「足が勝手に前に出る感じだ」
 
この後さらに3つのトレーニングを行い、さらに身体のキレが向上しました。
 
その内容としては動的な要素を多く組み込んだ内容で以下の身体の状態が重要です。

  • 脱力(ゆるんでいること)
  • 強力な軸の意識
  • わずかな重心移動を察知する認識力

簡単に説明すると、身体がしっかりとゆるんだ状態で足を一歩前へ出すトレーニング。
簡単なように思いますが、人は動きたい方向に行く際は必ずその方向と反対側の足へ一度体重を乗せてから動きます。
しかしそれでは一瞬の遅れが生じるため、相手のレベルが上がれば上がるほど動きが読まれてしまいます。
 
この一歩前へ出すトレーニングの中に、「ゆるむこと」「軸の意識」「重心移動」というキーワードを取り入れ意識してもらいながら行うことで動き出しの向上に繋がります。
また強力な軸の意識を形成するためには重心移動を伴わないようにして足を持ち上げることです。
 
ではいまから実際に試してみましょう。
 
右肩から右くるぶしがしっかりと壁に着くように立ちます。この状態で右足を持ち上げてみましょう。
これは簡単にできると思いますでは次に壁から離れないようにして左足を持ち上げてみてください。
どうですか、できましたか?
 
これができるようになると強力な軸の意識と重心移動がしっかりと操作できる身体の使い方に繋がります。
具体的な内容はアドバンス Ⅱ セミナーで、3つのキーワードに関してはセミナー全体を通してお伝えしています。
 
これらのトレーニングを行ったあと実際に動いてもらうと、
「動き出しが速くなった!」
とグランドを走り回っていました。
 
さらに
「これだけ走っても身体が疲れない」
との感想ももらいました。
 

まとめ

今回は動き出しを速くして下半身の柔軟性も向上したいという依頼でした。
これに対して下半身のみに着目するのではなく上半身も評価する必要性が高いということを改めて実感しました。
 
私は本格的にサッカーをしたことがありませんが、一つの要素のみにとらわれず一つ一つの関係性をしっかりと理解し柔軟に考えることで、自分が経験したことのないスポーツでも対応が可能になるということを再認識しました。
 
今回指導したトレーニングは全てJARTAセミナーでお伝えしている内容ですので、気になる方はぜひセミナーにご参加ください。
 
最後にこんな嬉しい言葉をもらいました。
「こんな素晴らしいトレーナーの方々が日本にいてるのに知らないのはもったいない」
 
最後までお読みいただきありがとうございました。