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2014年07月07日

選手にとって本当に必要なスピードの質

連日サッカーW杯で盛り上がっていますが、今回は旬のサッカーをテーマに「スピード」について焦点を当てていきたいと思います。
 
JARTAトレーナーの吉田です。
「50m走が速い」「長距離が速い」これらはスピードを示す重要な値ですが、数値的なスピードだけで相手を抜くことができるのでしょうか。
 
その前に、そもそもスピードとは何でしょうか。たとえば100mを10秒台で走るとき、

  • 初速から加速するスピード
  • トップスピードまでの加速
  • トップスピード

など、どれも重要なスピードです。単純に走るという競技だけでみれば、その速さを鍛え上げることが重要になってきます。
 
では相手がいる球技スポーツではどうでしょうか。今回はワールドカップに出場している選手に当てはめて考えてみましょう。サッカーのドリブルで有名なアルゼンチンのリオネル・メッシ選手を例に挙げていきます。
選手にとって本当に必要なスピードの質1
彼のドリブルのトップスピードは飛び抜けて速いわけではありません。他のトップレベルの選手でメッシよりも足が速い選手はたくさんいます。
しかしメッシ選手のスピードコントロールはピカイチです。スピードの初速と緩急の付け方が他の選手と比べ物にならないくらい優れているのです。
 
物体が動き始めたときの最初の速さ=初速であり、これが相手がいるスポーツ動作において重要になります。
また初速が速いだけでは相手がいるスポーツでは通用しません。相手を出し抜くテクニックが必要になってきます。
 
ポイントは「バレない様に速く動く」です。
これには初速をいきなりトップスピードに変化させ、かつ余分な準備動作を最小限にすることが重要になります。
 
格闘技に例えるのであれば、力こぶをためて思いっきり振りかぶったパンチはスピードはありますがまず相手に当たりません。
選手にとって本当に必要なスピードの質2
一方、ノーモーションのパンチは準備動作がなく相手が予測できず、かつ初速が速いため相手は避けきれないのです。
 
メッシ選手は相手を抜き去るとき、ノーモーションのパンチを繰り広げるようにしてドリブルをしているのです。これでは相手もついていけません。これが世界一流のスピードの質です。
 

まとめ

今回はスポーツにおけるスピードという大きなテーマについてお話しました。
数値だけでなく、パフォーマンスに直結するスピードはどのようにトレーニングしていけばよいか。JARTAアドバンスではそのヒントが転がっています。