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2014年04月02日
大腰筋の間違ったトレーニング
今回はインナーマッスルとして近年注目を集める「大腰筋」を取り上げます。大腰筋の重要性やトレーニングの正しい方法とは?
JARTAの吉田です。
大腰筋という筋肉をご存知ですか?大腰筋は近年下肢や腰椎の動きに関わるインナーマッスルとして、メディアでよく取り上げられています。
たとえば、
- 大腰筋を鍛えると姿勢が綺麗になる
- 腰痛の80%は大腰筋が問題だ
- 大腰筋を鍛える骨盤が矯正される
- 大腰筋を鍛えるとダイエット効果がある
- 黒人は白人より大腰筋が3倍大きいから足が速い
などなど、巷では様々なことが叫ばれておりますが、大腰筋を否定する人は聞いたことがないくらい人気者です。
大腰筋は胸椎12番・腰椎1~5番を起始として、大腿骨の小転子につきます。
大腰筋の大切なことは、体幹と下肢をつなぐ唯一の筋肉ということです。その筋肉の間に脊椎、仙腸関節、股関節が関節構造として関連することもポイントです。
大腰筋の機能は大きく分けて、
- 股関節屈曲
- 骨盤の前傾
- 腰椎前湾
の3つがあります。
大腰筋の拮抗筋には大殿筋やハムストリングスがあり、大腰筋が機能することにより殿部やハムストリングスの機能も変化を起こすのです。
高岡英夫先生の理論でいう裏転子が働くことになるので、アクセルとして下肢機能が動き始めます。
ではこの大腰筋をどう使うか?
一般的には「大腰筋が大きくなるようにトレーニングしましょう!」というのが多いです。筋肉が大きくなれば、動きがよくなりそうな気がしますよね。
では本当に大腰筋を大きくするトレーニングをだけでパフォーマンスは変わるのでしょうか?
もう一度解剖を思い出してみると、起始は胸椎12番、腰椎1~5番です。
みなさん、この部分の脊椎を自由に動かせますか。この部分は最も硬くなりやすい脊椎で、脊椎が動かなければ大腰筋がうまく作用しません。
ですからどのようなトレーニングになるかというと、多くは転子側を動かします。これだけでは大腰筋の魅力が半減してしまいます。
脊椎を自由にコントロール出来るようになることにより、CKC(Closed Kinetic Chain=閉鎖性運動連鎖)で大腰筋が活躍するのです。
以下大腰筋をうまく使うための方法です。
- 脊椎を緩め、脊椎の自動運動を行う
- 固い人は直接大腰筋を緩める
- OKC(Open Kinetic Chain=開放性運動連鎖)、CKCで大腰筋に入力
- 加えて拮抗筋周囲の調整を行う
私見ですが、多くの下肢の疾患は大腰筋が働いていないことが要因だと考えています。(特に大腿四頭筋、ハムストリングス周囲の疾患)
JARTAでは大腰筋を非常に重要視していますので治療やトレーニングも大腰筋にアプローチするものがたくさんあります。
下肢疾患でお悩みであればぜひセミナーに参加して、体験してみてください。