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2017年12月16日

オフトレーニングでライバルに差をつける

  • スポーツのオフトレーニングは、種目によって時期や期間に違いはありますが、次のシーズンに向けて大切な準備期間である事は間違いないと思います。

今回は、オフトレーニングの効果を上げるため、トレーニングにおける「量と質」、特に「質の向上」というテーマでお話しさせて頂きます。
 
札幌で活動する認定スポーツトレーナーの吉野直人です。

 
北海道での屋外競技は寒さや雪の関係で11月中旬頃から屋内練習に移行していく事が多いです。そこからグラウンドが使えるまでに約4ヶ月。
そして、野球・サッカーなどの屋外競技においては冬期間が長い事がデメリットとして言われる事があります。
しかし、今はデメリットではないと思っています。そのためには目的や課題をしっかり持ってオフを過ごす事が重要です。
 
オフトレーニングにおける量と質
 

 
 
オフトレーニングといえば、一般的には走り込み・腹筋・背筋・腕立て・スクワットなどの体力強化・筋力強化など、基礎体力部分を中心にトレーニングが構成されている事が一般的です。
 
これらのメニューによって、基礎体力の向上としては一定の効果があると思います。
しかし各トレーニングにおいて回数や負荷など量的側面ばかりにウエイトが置かれている事が多いと感じています。
量ばかりにフォーカスされているトレーニングを続けて、本当に目的のパフォーマンスアップに繋がるでしょうか?
量的側面ばかりを意識したトレーニングメニューでは、パフォーマンスアップという目的から度々それてしまう事もあります。
量も大切なのは言うまでもありませんが、同時に質も同じくらい大切だという事を考えなければいけません。
量をこなす事で質が生まれる。これも確かにあると思います。
しかし、やみくもに量を追い求めるのではなく、目的を達成するための最低限の質が担保された状態である事が大切だと思います。
トレーニングにおける質とは、選手のモチベーション、トレーニングに対する目的意識、メニュー自体、トレーニングの具体的方法・ポイントの抑え方などが質に該当してくると考えます。
逆に、量ばかりを追い求めたトレーニングとは、目的意識がなく、メニューやトレーニングのやり方も間違ったまま続けてしまう。
 
この結果、気づいた時には以前より身体が動きにくくなったり、柔軟性が低下してしまうなど、パフォーマンスに悪影響をもたらす事があります。
 
 

目的と課題を明確にする事

選手のトレーニングに対する目的意識が質の高いトレーニングのためには必要不可欠だと思います。
そのため、トレーニングに入る前には前シーズンの反省点から、このオフに取り組む課題を考えてもらいます。
自分の問題や課題が明確になる事で、当然オフトレーニングに対するモチベーションも変わってきます。
簡単に言えば、自分の伸びしろがはっきりするからです。
 
 

 
 
技術的な問題点は、身体の機能的な面と関係している事が多いです。
例えば、野球のバッティングで下半身の開きが早いという課題があるとします。これが今の身体の問題点(例:股関節の硬さなど)と関係している事を選手に理解してもらいます。
この様に個々が目的意識を持ってオフトレーニングを取り組んでいく意識づけが「質」の向上の第一段階と考えます。
 
 
トレーニングの質を上げるために
目的・課題が明確になった後は実際にトレーニングに入りますが、そこでも注意が必要です。
まず、トレーニングの質とは?
実施しているトレーニングや方法が、目的としているパフォーマンスにどれだけ関係しているかどうかだと思います。
まず、パフォーマンスとトレーニングの関係性を説明していきます。
スポーツのパフォーマンスは、ほとんどのケースにおいてフィジカル要素(筋力・柔軟性・体力など)のみで成立していません。
実際にはフィジカル要素と同時にスキルや認識力といったものが並立して働く事でパフォーマンスは成立しています。(図1)
 

 図1 統合化トレーニング

 
 
 
例えば、サッカーのパスではスキル(技術)やフィジカル(筋力・柔軟性など)だけでなく、同時に認識力(周囲の状況の把握、自分の身体の状態)を働かせてパスという運動を成立させています。
パフォーマンスの構成要素が、この様に複数の要素で成り立っている事を考えると、トレーニング時から複数の要素を意識するべきではないかと考えています。
仮に一つの要素だけを取り出してトレーニングした場合、他の要素との関係性を失い、結果的にパフォーマンスに悪影響をもたらす事がわかっています。
この現象をマイナスの学習と呼んでいます。
過去ブログ http://jarta.jp/training/1695/
 
JARTAでは、この複数要素を絡めたトレーニングを統合化トレーニングとして、アスリートに指導しています。
 
 

 
 

本当にそのトレーニングを続けて間違いありませんか?

 
JARTA認定スポーツトレーナーは、いつもこの問いに対して真剣に向き合っています。
 
統合化トレーニングについては、説明が足りていない部分もありますので、次回にもう少し具体的なメニューなど例に挙げて紹介させて頂きます。
 
最後までお読み頂きありがとうございました。
 

JARTA公式HP
http://jarta.jp