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2016年04月02日

春の怪我の原因とはなにか?

春になり進学・進級によって新しいチームへの加入や活躍する場の変更、また指導者の変更と周りの環境が目まぐるしく変わる季節です。
 
シーズンに突入していくこの季節、特に怪我が多発する時期です。
 
この時期の怪我はシーズンを棒にふってしまう可能性もある為、特に気をつけなければなりません。
では、なぜこの季節は怪我が多発するのでしょうか?今回はその原因を関連要素の間にある関係性や影響を考慮しながら紐解いていきたいと思います。
 
関西認定スポーツトレーナーの谷口です。
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【主要な構成要素はどうか?】

 
今回は主に3つの要素が考えられます

  • 認識力
  • フィジカル
  • スキル

このうち一つでも変化があれば他への影響が考えられる中でシーズン当初はこの全ての要素に変化が求められる季節なのです。
 
 
まずは認識力 JARTAでは「内的認識力」「外的認識力」と二つに分けています。
 
内的認識力とは自分自身の心に対する認識や身体の各関節、筋や皮膚からの感覚を脳で統合し認識する力のことをいいます。
身体の状態としては「体が適度にゆるんだ状態」であり筋紡錘やゴルジ腱器官などからなる固有感覚受容器が活性化しその働きにより、身体の位置や動き、力がどれだけ出ているかなどを感じる事ができるのですが、自分自身の身体と向き合う時間が少ないと以前よりも精度が低い状態となります。
 
また、メンタル的な要素で上げると
・コミュニケーションの質(上級生との人間関係 スタッフとの共通認識)
・監督からの声かけなどによる指導言語の違い
特に指導者からの指導言語は同じ言葉でもそこに含まれている本質が異なる場合があります。
 
外的認識力とは自分の身体の外への認識力を指します。
例えば
・新しいシューズ
・ユニフォーム
・サーフェス
・チームメイト
などの変更が考えられ認識力だけでも多岐にわたります。
 
つまりこの時期には内的認識力が落ちている中でさらに違った外部環境でトレーニングに取り組んでいかなければなりません。
 
次にフィジカル的要素
学生であれば受験等によってしばらく競技から離れていた事が数ヶ月から半年にかけてあったと思われます。
全体的に筋力や可動域の低下 特に長時間の座位をとっていた事により軟部組織の滑走性の低下、循環不良及び臀部の柔軟性の低下は多くの選手で認められ、ピーク時の身体環境とはかけ離れた状態であるの事は否めません。
 
最後にスキルですが
新しいチームでの自分が求められているポジション、戦略への変更により新しい技術の獲得などが考えられます。
 
 
以上、簡単にまとめますと進学、進級により準備期間があった事による身体環境の変化、さらに内的認識力の低下を認めた中で今までとは違った外的環境の中で新しいトレーニングを行っていくという状況になります。
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怪我の原因となる要因はあげるときりがなく身体と心と外的環境は深く影響し合っており決して分けて考えられるものではありません。
それは選手だけでなく指導者側スタッフが特に認識しておく必要があります。
 
 

【では、どうすれば良いのか?】

まずは、選手自身もどの要素に関してもすぐには解決出来ず時間が必要であると認識する事が大切です。
 
その上で、内的認識力の賦活が必要であると考えます。
一つの動作を今のコンディションで「出来た」「出来なかった」の判断ではなく
 
今の動作がどのような状態であったか?
使われる必要がある箇所に収縮が得られているか?
 
このように感覚はどうだったを確かめていく必要があります。
 
また、指導者側であれば今の身体の状態に目を向ける声かけが必要となってきます。
 
JARTAのセミナーではこのような自分自身への問いかけ方法など、単にストレッチやトレーニングだけではコントロールできない部分へのコンディショニング方法や思考についてもお伝えしています。
ご興味がある方は是非ご参加いただければと思います。
JARTA認定スポーツトレーナーコースとは
 
 
本日も最後までお読みいただきありがとうございました。